
ヤドリギの観察
厳冬の八ヶ岳でも、木上で青々としたヤドリギは神秘的で、私は親しみを感じています。
ヤドリギは他の樹木に半寄生し、水分や養分を吸い取る植物だからか、ときに吸血鬼のような扱いも受けています。一方、手で触ると多肉植物のように節からポロポロと崩れやすく、樹木から離れる=生きていけなくなるのです。そして、芽生えるためには鳥にその実を食べてもらわねばならず、種をフンとして木にこすり付けてもらわねば着床できません。何年もの間、種は木から落ちてしまえば、決して芽生えることは無いそうです…
迷うことなく一生懸命に生き、自らの運命を受け入れ、環境に身を委ねるヤドリギの生き方に、私はしなやかで力強い自然の中のバランサーのようなものを感じています。
偏ることなく調和する自然の生命の存在を、日々の暮らしの中でも意識することができたなら…そんな思いから、自身に宿るように着けるヤドリギのジュエリーが思い浮かびました。

ヤドリギの神秘 すべてを受けいれ すべてを委ねる その潔い生命を 心に宿す
Dwell 2022
Material: sterling silver, akoya pearl
Style: hammering, casting
Use: For the right ear